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2010/01/29

歴史の?その105

<北極海に挑んだ船乗り:後編>

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◎氷  海

 バレンツの船がただ1隻、ノバヤゼムリヤ島の北端を回った時、ライプ船長の主張が正しかった事が、恐ろしい程はっきりとして来ました。
8月という時期にも関わらず、バレンツとその乗組員達は、如何にして北極の海を生き抜くか、という問題に直面したのです。
まず、彼らは流木で島に小屋を建て、そして氷に閉じ込められた船から、食料等の物資を移し、キツネを殺して食肉にし、雪を溶かして飲料水としました。

 しかし、寒さは悪夢の様でした。
ストーブを昼夜の別無く焚きつづけ、その周りに寄り添うように固まっても、温まるのはストーブに面したのみで、背中はいつも一面の霜でした。
ベッドは、熱した石で暖め、こうして二人を除く全員が、何とか冬を越す事が出来ました。

 春が訪れ、太陽の光が戻って来て、1日の内の数時間は陽が差しましたが、その頃、船は難破船同然と成り、残った2隻のボートで脱出するしか方法は有りません。
其処で彼らは手紙を書き、自分達の遭難を世界に伝え様としたのでした。

 小さなボートは、悪戦苦闘しながら島の北端を通り、南へ向かいました。
嵐が2隻のボートを襲い、彼らは大きな流氷にボートを引き上げて、非難しなければ成らない事も度々でした。
6月20日、壊血病で体力が低下していた、バレンツは、寒さと飢えに苦しみながら此処で死亡しましたが、彼は既に自分の運命を予感していたに違い有りません。

 嵐が静まると、残った人間は、猛進し、北極海を2900kmも横断し、九死に一生を得たこの一行は、終にムルマンスクに近い、コラ半島に到達し、其処には、ヤン・ライプ船長とその船が待っていました。
この慎重な船乗りは、恐ろしいバレンツ海に、それに相応しい敬意を払っていたのでした。
その為、生き長らえて、又新しい航海に船出する事が出来たのでした。

本編終了・・・
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