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2010/02/06

歴史の?その113

<サハラが緑だった頃:前編>

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 遊牧民トアレグ族の隊商が、ラクダを引いて、サハラ砂漠の石ころだらけの高地のキャンプにやって来ました。
その隊商に、チャド湖に向かう途中の若い探検家、ハインリッヒ・バルトが加わっていました。

 彼らの周りを取巻く、険しい砂岩の崖に視線を向けたバルトは、其処に牡牛、水牛、ダチョウや人物等の見事な彫像が彫られている事に気づき、大変な衝撃を受けました。

◎古代の画廊

 1850年のその日、バルトが発見したのは、8000年前の画廊の一部で、其れは、かつてサハラが緑豊な土地で会った頃、中央サハラのタッシリ高原と、其れを取巻く丘陵地帯に住んでいた、遥か昔に忘れ去られた人々が残したものでした。

 しかし、タッシリの岩壁の美術が、世界の注目を集める様に成ったのは、1933年、フランスの軍人、シャルル・ブレナン中尉の報告によってでした。
ブレナン中尉は、タッシリの荒涼とした丘や谷間を歩き回り、何キロメートルにも渡って岩壁に描かれている彫像と、見事な絵画を発見したのでした。
素朴な家庭生活、狩猟の場面、神々と思わしき姿、宗教的儀式等の場面が、黄土色、紫、黄褐色、白色に柔らかく輝いていました。
絵の具で描かれた戦士は、丸い楯と槍を持って戦車に乗り、突進し、前掛けを着け、エジプト風の帽子を被った牧童は、長く湾曲した角を持つ牛を追っていました。

 描かれている動物や鳥には、遥か以前に絶滅してしまった種のものも含まれ、又、サイ、キリン、ダチョウ等に至っては、現在、この場所から1500km以上も南の草原でしか見る事が出来ません。

後編に続く・・・


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