歴史の?その116
<岩穴の大画廊:後編>

◎先史時代の絵画
マッチの明かりを頼りに、彼は美しい壁画を発見しました。
翌日、彼はランタンを持って、再び穴に潜り、馬、牛、鹿、その他たくさんの動物が描かれている事を確認したのです。
ラスコー洞窟の壁画は、アルタミラの壁画と並んで、是までに発見された原始美術の最高傑作と考えられています。
ラスコー洞窟には「牡牛のホール」と呼ばれ一室が在り、其処には、漆黒と濃赤色で描かれた傑作が見られ、幾つも並ぶ部屋には、馬の群れや枝角を持った鹿の頭が、当に生きているかの様に描かれています。
アルタミラの壁画と同様に、是等が原始的な野蛮人の作品等では決して無く、感受性に優れた芸術家の手になるものであり、一般の石器時代のイメージとは、かけ離れたものである事は明らかです。
是等の絵は、1万5000年間にわたり、少しずつ書き加えられたもので、古いものは、紀元前2万8000年迄遡ると思われます。
絵の様式も様々で、単純な線刻から、鮮やかに彩色され、著しく現実的なものまで様々なのです。
◎クロマニョン人
この様な芸術を生み出した人々は、クロマニョン人と呼ばれ、紀元前3万2000年から1万年の間、ヨーロッパに分布した石器時代人である。
彼らは食料となる植物の採集と、狩猟によって生活していましたが、発明、創造の才能も持っていました。
考古学的研究によれば、彼らは次々と別個の文化を築き、その最後に位置するの文化が、紀元前1万5000年から1万年頃に栄えた、マドレーヌ文化でした。
壁画はまず、尖った石器で輪郭を彫り、そこに彩色が施され、この時代の画家達は、緑や青は持っていませんでしたが、黒、黒紫は酸化マンガン、木炭、或は煤から得ていたと思われます。
褐色、赤、黄、オレンジ等は、鉄鉱石を石や骨の乳鉢と乳棒で粉にし、動物の血液や脂肪、植物の搾り汁等を混ぜて作られました。
絵の具を塗るのは、幾つかの方法があり、指、毛皮のブラシ、羽毛、木の枝を噛み潰したもの等が用いられました。
又、画家達は、苔を丸めて作ったパッドを使用し、中空の葦の茎で、絵の具を吹き付ける事も行っています。
◎マドレーヌ文化
この素晴らしいマドレーヌ美術が発見されたアルタミラでは、獣脂でつくった、黄土のクレヨンが発見されています。
暗い洞窟内で、絵の具は細心の注意を払って塗られていき、其処には日光は殆んど届く事はなく、従って人工の照明が用いられたと思われますし、その証拠に石で作った職台も発見されました。
天井の絵も何らかの形で、足場が用いられた事を示しています。
是等の動物絵画は、獣たちが簡単に捕獲できる様にとの、呪詛の一部と考えている考古学者も多いのですが、或は古代人達は、絵を仲立ちにして、獣たちの猛々しさや力が、彼らに乗り移ると信じていた可能性もあります。
しかし、動物の急所に槍が刺さっている絵が多い事から、壁画は若い猟師に、獲物の捕獲方法を教えるものだったかもしれません。
是等の絵画で最も新しいものは、紀元前1万年頃に描かれたと考えられます。
その時期、最後の氷河期が終わり、氷河の後退が始まり、気温が暖かくなって、マドレーヌ人が広々とした土地で生活する為に、洞窟を出て行った時代なのです。
その後4000年の間、彼らの子孫達は、急激な環境変化に適応し、農耕する事を覚えるに至りましたが、同時に芸術的才能を失ったのでした。
本編終了・・・

◎先史時代の絵画
マッチの明かりを頼りに、彼は美しい壁画を発見しました。
翌日、彼はランタンを持って、再び穴に潜り、馬、牛、鹿、その他たくさんの動物が描かれている事を確認したのです。
ラスコー洞窟の壁画は、アルタミラの壁画と並んで、是までに発見された原始美術の最高傑作と考えられています。
ラスコー洞窟には「牡牛のホール」と呼ばれ一室が在り、其処には、漆黒と濃赤色で描かれた傑作が見られ、幾つも並ぶ部屋には、馬の群れや枝角を持った鹿の頭が、当に生きているかの様に描かれています。
アルタミラの壁画と同様に、是等が原始的な野蛮人の作品等では決して無く、感受性に優れた芸術家の手になるものであり、一般の石器時代のイメージとは、かけ離れたものである事は明らかです。
是等の絵は、1万5000年間にわたり、少しずつ書き加えられたもので、古いものは、紀元前2万8000年迄遡ると思われます。
絵の様式も様々で、単純な線刻から、鮮やかに彩色され、著しく現実的なものまで様々なのです。
◎クロマニョン人
この様な芸術を生み出した人々は、クロマニョン人と呼ばれ、紀元前3万2000年から1万年の間、ヨーロッパに分布した石器時代人である。
彼らは食料となる植物の採集と、狩猟によって生活していましたが、発明、創造の才能も持っていました。
考古学的研究によれば、彼らは次々と別個の文化を築き、その最後に位置するの文化が、紀元前1万5000年から1万年頃に栄えた、マドレーヌ文化でした。
壁画はまず、尖った石器で輪郭を彫り、そこに彩色が施され、この時代の画家達は、緑や青は持っていませんでしたが、黒、黒紫は酸化マンガン、木炭、或は煤から得ていたと思われます。
褐色、赤、黄、オレンジ等は、鉄鉱石を石や骨の乳鉢と乳棒で粉にし、動物の血液や脂肪、植物の搾り汁等を混ぜて作られました。
絵の具を塗るのは、幾つかの方法があり、指、毛皮のブラシ、羽毛、木の枝を噛み潰したもの等が用いられました。
又、画家達は、苔を丸めて作ったパッドを使用し、中空の葦の茎で、絵の具を吹き付ける事も行っています。
◎マドレーヌ文化
この素晴らしいマドレーヌ美術が発見されたアルタミラでは、獣脂でつくった、黄土のクレヨンが発見されています。
暗い洞窟内で、絵の具は細心の注意を払って塗られていき、其処には日光は殆んど届く事はなく、従って人工の照明が用いられたと思われますし、その証拠に石で作った職台も発見されました。
天井の絵も何らかの形で、足場が用いられた事を示しています。
是等の動物絵画は、獣たちが簡単に捕獲できる様にとの、呪詛の一部と考えている考古学者も多いのですが、或は古代人達は、絵を仲立ちにして、獣たちの猛々しさや力が、彼らに乗り移ると信じていた可能性もあります。
しかし、動物の急所に槍が刺さっている絵が多い事から、壁画は若い猟師に、獲物の捕獲方法を教えるものだったかもしれません。
是等の絵画で最も新しいものは、紀元前1万年頃に描かれたと考えられます。
その時期、最後の氷河期が終わり、氷河の後退が始まり、気温が暖かくなって、マドレーヌ人が広々とした土地で生活する為に、洞窟を出て行った時代なのです。
その後4000年の間、彼らの子孫達は、急激な環境変化に適応し、農耕する事を覚えるに至りましたが、同時に芸術的才能を失ったのでした。
本編終了・・・
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コメント
クロマニヨン人によって描かれたのですか?
よくぞ遺ってくれていました
殆ど奇跡ですね
クロマニヨン人はどうして滅亡したのでしょう
彼等の滅亡は最近だったのですね
もっと以前かと思っていました
しかし時間軸の広大さを感じますね~(o^~^o)ν
ロマンか人間史か…
以上携帯からでした
2010-02-10 15:33 【クメゼミ[i:63716]】塾長 URL 編集
クロマニヨン人について。
クロマニョン人は後期旧石器時代にヨーロッパに分布した人類で、現代人と同じホモ=サピエンスに属し、現在は化石でのみ発見されるので、同時代、他地域の人類と共に、化石現生人類とも言われています。
道具の製作や、洞窟壁画、彫刻を残し、死者を埋葬し、呪術を行なった証拠も存在し、ネアンデルタール人等の旧人類とは大きく異なり、進んだ文化を持っていた反面、狩猟生活を営み、犬以外の家畜を持たず、農耕も知らず、野生馬・野牛等の動物が減少、絶滅すると共に彼らも滅亡したとする学者も存在しますが、クロマニョン人はそのまま現代人へと遺伝的に繋がっているする学説が主流ですね。
ロマンの欠片も無い、お話で、ごめんなさい。
2010-02-10 21:40 秋葉 奈津子 URL 編集