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2010/04/13

歴史の?その171:伝記の陰の真実④:エデンの薗でイヴはアダムに林檎を与えた 他

<伝記の陰の真実④:エデンの薗でイヴはアダムに林檎を与えた他>

◎エデンの薗でイヴはアダムに林檎を与えた

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 林檎は禁断の木の実として、人間堕落のシンボルに成っていますが、「創世記」第3章に述べられている誘惑の物語には、りんごに関する記述が一言も登場しません。
単に「楽園の只中になる木の実」とだけ記述されており、アダムとイヴが果実を食べた後、無花果の葉で身を覆った事から推察すれば、その実は無花果であったと考える研究者も存在します。

 林檎は、恐らくギリシアとケルトの神話から、物語に紛れ込んだと思われます。
これらの神話ではもとの林檎は愛の女神のもので、欲望を象徴しているのです。

 西暦2世紀に、ポントゥスのアイクラが「ソロモンの歌」をヘブライ語からギリシア語に翻訳した時、「余は汝を林檎の樹の下で育てた。其処で我母は、汝を産み落とした」という原文を「余は汝を林檎の樹の下で育てた。其処で汝は堕落した」と訳しました。
明らかに原文が、禁断の果樹を意味していると誤解したのではないでしょうか?
聖ヒエロニムス(西暦340年?~西暦420年:ラテン語訳聖書の完成者)も旧約聖書を翻訳する時、この先例にならい、其れ以来、誤った俗信が今日迄続いているのです。

◎シンデレラはガラスの靴を履いていた

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 シンデレラ物語の原型である、フランスの古い御伽噺では、彼女が履いていたのはPentoufles de vah、つまり毛皮の靴でした。
しかし、14世紀頃には、vah(毛皮)が死語となり、フランスの作家シャルル・ベロー(1628~1703)が、この物語を1697年に書き直した時、毛皮の古語を知らなかったので、同音異語であるverre(ガラス)と解釈したのでした。

 西洋世界に広く流布した、シンデレラの物語は、全てベローの作品が原型に成った為、この物語を語る場合、「ガラスの靴」が定番の小道具に成りました。

 シンデレラ物語の起源は、遠く漠然とした民話で、別伝は500以上のバリエーションが存在しますが、その全てに靴が登場し、それぞれが黄金、宝石、真珠散りばめた姿で語られています。
この民話は、ヨーロッパに限らず、全世界に広まり、現存する最古のバリエーションは、中国で西暦9世紀に書かれた物語です。

続く・・・

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