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2008/09/18

「銀河鉄道の夜」第12回

ザネリの性別論について第2回

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<ザネリの描写>

 ザネリ描写から、性別を解釈する事ができる行動描写を抜粋してみると以下

①ジョバンニを見てくすっと笑った
②級友(少年)と仲が良い
③ジョバンニと「ひらっと」すれちがった
④ジョバンニに投げつけるように意地悪を叫ぶ
⑤級友の中で率先してジョバンニに意地悪を言う
⑥船の上から烏うりをおしやろうとした
⑦第三次稿の場合のみ、赤い顔をした小さい子

 ①、③、⑦のザネリの描写は、どちらかというと少女めいたものである。それに対して④、⑤、⑥の行動は大胆であり、少年らしさを感じられる。また、②の同い年の少年達と仲が良いという事実は、ザネリが少女であるとするよりも、少年だとする方がより自然である。

<ザネリの意地悪>

 ザネリのカムパネルラに対する意地悪は、同じ生徒達の中でも群を抜くものである。第四次稿の九章でマルソがジョバンニに話しかけたのから見てもわかるように、ザネリ以外の生徒は、ジョバンニに対して特にあからさまに仲間はずれにするような態度を取っていない。しかし、ザネリは率先してジョバンニをからかい、それに付随するように他の生徒もジョバンニをからかっている。このザネリの意地悪をどう考えるかで、ザネリの性別をそれぞれ解釈することができる。

 意地悪の解釈は二通りある。一つは、仮にザネリの意地悪がジョバンニに特別な思いを持っているためだという解釈だ。この解釈では、ザネリが少女だと考える事ができる。ザネリはジョバンニの事を気にかけているが、それを表現するのに意地悪をしてしまうとすると、町でジョバンニと会った時の態度、特に「町かどを曲るとき、ふりかえって見ましたら、ザネリがやはりふりかえって見ていました」。
という一文はその事を暗示している様に思える。

 しかし、ザネリの意地悪は、ジョバンニの父が密猟者だという悪い噂から来たものだとも解釈できる。「新しいえりの尖ったシャツを着た」という描写から、ザネリはある程度裕福な家庭に育っており、それに対してジョバンニは、窮屈な上着を着ており、朝も晩も働いている。ザネリのジョバンニに対する意地悪は、貧しい家庭に育ち、悪い噂もあるジョバンニの家に対する嫌悪感や好奇心、興味から来ているとも考えられる。

 どちらの解釈でも、ザネリはジョバンニを意識している。また、銀河ステーションでのカムパネルラの台詞から、カムパネルラも他の級友とは違う意識をザネリに対して持っている事がわかる。銀河鉄道の夜を、ジョバンニ、カムパネルラ、ザネリの3人の関係に注意しながら読むと、新しい発見が何かあるかも知れませんね。

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