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2008/09/27

「火の鳥・黎明編」

第1部 黎明編

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古代日本、邪馬台国を舞台にしたシリーズ1作目。
『魏志倭人伝』と『古事記』を元に、手塚治虫流の解釈を加えた、シリーズのプロローグを飾る傑作です。

<物語>
 3世紀の日本、その生き血を飲めば永遠の命が得られる、火の鳥が住むと伝えられる熊襲の国に、グズリという男が漂着した。始めは他部族という理由で殺されかけるが、次第に人望を得るようになり、やがて彼は村の娘ヒナクと結婚する。
 だが、実はグズリは邪馬台国の密偵で、結婚式の夜、彼の手引きで邪馬台国の軍隊が襲い、村人の全ては殺戮される。邪馬台国の軍は、老いを恐れるヒミコの命によって、火の鳥の生き血を手に入れるためにやって来たのであった。

 一人だけ殺戮を免れたヒナクの弟ナギは軍の隊長・猿田彦の捕虜となり、一方、グズリはヒナクを連れて村から脱走卯する。ナギの弓の腕を見込んだ猿田彦は、奴隷としてナギを邪馬台国へ連れて帰り、弓の訓練を授けようとする。
 始めは猿田彦を討つ事を考えていたナギだが、猿田彦の「弓の腕が上達したら討たれてやる」の言葉に、猿田彦の教えに従い弓の訓練に励むようになる。やがて猿田彦を討っても解決にはならないと悟ったナギは、ある日、卑弥呼を殺す計画を実行するが、失敗し、その責任で猿田彦は刑に処せられる。
 
 次第に猿田彦を尊敬するようになっていたナギは、猿田彦を救出し、熊襲へ逃亡するが、北部九州地方に遠征して来た高天原族に捕らえられる。

 火の鳥獲得の為、卑弥呼自ら遠征隊を指揮し九州遠征が始められるが、火山が噴火し、遠征は失敗に終わる。一方、グズリとヒナクは熊襲一族の再興を夢見、子を作るが、火山の噴火から逃れる内に、登る事の不可能な絶壁に囲まれた穴に閉じこめられてしまう。

 遠征の失敗後も熊襲の地に残っていた天の弓彦は遂に火の鳥を仕留め、邪馬台国へと持ち帰るが、卑弥呼は火の鳥を目の前に息絶える。
 高天原族が邪馬台国を襲う事を知ったナギと猿田彦は脱走し、邪馬台国の軍勢に入る。
やがて、激しい戦闘が始まるが、ナギ、猿田彦もろとも邪馬台国は滅亡、高天原族が勝利を収めた。

 月日は流れ、穴の中で繁栄していったグズリ、ヒナクの家族の中から、タケルが不可能と言われている絶壁を登る事を決意し、努力の末外界に旅立って行くのだった。
 
<注記>
 1954年に『漫画少年』誌に連載していたものの、出版社の倒産により未完に終わっていた『火の鳥/黎明編』を、新たな構想の元に発表した作品です。
『魏志倭人伝』の邪馬台国に関する件や『古事記』を元に、手塚治虫独自の想像によって物語が語られて行きますが、登場人物の名前の多くは『古事記』に登場する人物から取られています。
漫画少年版に比べ、プロットも描写も一段と完成度の高い物に仕上がり、シリーズ1、2を争う傑作となっています。

 熊襲一族を全滅させに来た邪馬台国の猿田彦、その猿田彦を敵と憎みながらも次第に惹かれて行き、邪馬台国に加勢する事になる熊襲の少年ナギ、熊襲を全滅へと導いたものの、熊襲一族の唯一の生き残りと共に、熊襲の民を復活させる事になるグズリなどなど、魅力的な登場人物がその人生を生き抜いて行く描写は正に名作の名に相応しい傑作といえるでしょう。
 
邪馬台国
3世紀末に晋で編纂された『三国志』のなかの魏志に当時の日本の様子を記した箇所があり、その『魏志倭人伝』と呼ばれる件に、邪馬台国と女王卑弥呼の事が語られている訳ですが、それによれば、水田稲作を営む階級社会で、北九州を含む約30の国を支配していたと記されています。
邪馬台国の位置について畿内説と北九州説とがあり未だに結論は出ていません。卑弥呼は、巫女的性格をもつ女酋で、夫はなく弟が政治を補佐し、死後は大きな墓に埋葬され、100人以上が殉死したと書かれています。
私は、個人的には邪馬台国は大和朝廷の前身ではないかと思ったりしますが、どうなんでしょうね?(^_^;)
どこかの古墳から卑弥呼の遺体でも見つかればわかるのでしょうか?(^_^;)

『古事記』での神々
『古事記』は言わずと知れた日本最古の書物ですが、黎明編の主人公ナギの元になっている伊弉諾尊(いざなぎのみこと)は日本の国土を作った創造神で、天照大神(あまてらすおおみかみ)と、素戔嗚尊(すさのおのみこと)はその子供です。
また瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)は天照大神の孫。
天鈿女命(あめのうずめのみこと)は舞踊をつかさどった巫女で、その容姿はお多福の面の由来といわれています。
猿田彦神(さるたひこのかみ)は体が大きく、鼻が長く、眼が輝いていてると記されています。
猿田彦の神は、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が降臨した際、天鈿女命に圧服されられ、高千穂峰へ案内したとなっています。

天の岩戸
『古事記』では天照大神(あまてらすおおみかみ)が高天原(たかまがはら)での素戔嗚尊(すさのおのみこと)の行いに怒り、岩戸に隠れ、そのため世界が闇につつまれ、周りの神達は相談して、宴を催し、天鈿女命(あめのうずめのみこと)が舞い(今風に言うとストリップ(^_^;))、天照大神が外の様子を伺おうと扉を少し開いた所を天手力男命(あめのたぢからおのみこと)が岩戸をあけて大神を出した、となっています。

これらのことを踏まえて黎明編を読むと、新たな興味が湧いてくることでしょう。

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コメント

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こんばんわ♪

手塚治虫の火の鳥ですね!
懐かしいなぁ~
最後までは読んでないんですよね-(^^)