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2011/03/04

人類の軌跡その24:忘却⑧

<ハリカルナッソスの霊廟その2> 

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◎霊廟の復元

 マウサロスの霊廟は、エフェソスのアルテミス神殿と異なり、1500年以上もその姿を留めていたと考えられます。
しかし「形在る物は、時来れば滅す」の喩え通り、この地上から姿を消す時が来ました。
1402年イスラム勢力によってエルサレムを奪回された、十字軍はハリカルナッソス(当時の名前はブドルム)の戦略上の重要性を認め、その地に城砦を築きます。
資材には、霊廟の石材を使い、破片は更に粉砕して、石灰を作る材料となり、その場所に巨大な霊廟の痕跡すら残しませんでした。

 時は流れて1859年イギリスの考古学者チャールズ・ニュートン卿は、霊廟の存在した土地を整備し、地中深くに埋没した、石のライオンや、円柱の破片、彫像等を発掘し、ロンドンの大英大国博物館の特別室(マウソレウム室)に陳列されて、その部屋には、霊廟の復元模型も展示されていますが、その考察の巧みさから、恐らく失われた霊廟に最も近いものと云われています。

 マウソロスの町は、現在ブドルムと呼ばれる漁村で、栄華を誇った当時の面影を伝える物は一切存在せず、霊廟の存在した場所も、雑草の茂る窪地に過ぎません。
21世紀に生きる私達は、居ながらにして世の事柄を見聞きし、必要とあれば数時間で現地に赴く事も可能です。
巨大産業文明の中で生活する私達ですが、歴史上黄金時代の古代ギリシア人の様に美を愛し、美を理解し、美の為に生活する時間を持っているでしょうか?
疑わしい事と思います。

本編終了・・・

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