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2011/03/11

人類の軌跡その31:栄光②

<アレクサンドリアの図書館・灯台その2>

ファロスの灯台_convert_20110311190721

◎灯台

 古代アレクサンドリアでは、紀元前3世紀半ばに70人訳(セプトゥアギンタ)と称する、ギリシア語訳「旧約聖書」の完成したことでも知られていますが、ヘレニズム文化の中心地にあるユダヤ人達の必要に基づくものと思われますが、ヘブル語辞書の初めての外国語翻訳として特に有名です。

 古代アレクサンドリアは、ファロス島とは、ヘプスタディオンを呼ばれる1km余りの堤防で結ばれ、島の東側には、古代技術の精を尽くした、高さ180mにも及ぶ大灯台が建設されていました。
プトレマイオス2世フェラデルフォス(姉弟愛王 紀元前285年~紀元前247年)の命令で、ディノクラティスの子供、ソストラトスが建設指揮にあたりました。

 灯台の大部分は大理石で造られ、上部に向かって少しずつ細くなる現代の灯台ではなく、高層ビルの様な姿をした建造物でした。
最上階には、大きな火桶が設けられ絶えず火が燃やされており、その燃料が木材なのか、油類なのかは現在でも解明されていませんが、ランプの後部に強力な光を反射する巨大な反射鏡が存在していたことは、はっきりとしています。
この構造物こそ、現在の灯台(ファロス)の原型であり、ヨーロッパでは、現在でも「ファロス」の単語が灯台を意味しているのです。

 この灯台は単なる標識塔ではなく、300室以上を有する、軍隊の駐屯施設で城砦の一部を成していたとも云われています。
この大灯台は180mの高さが有ったにも関らず、階段は存在せず、燃料の補給や人間の移動は、緩やかな螺旋状通路によって行われていました。

 灯台の最上階に在る展望台から、数10kmも離れた地中海を望め、そのむこうの小アジアも望見できたと云い、明るく燃える灯台の光は、遥かな海上からもはっきりと確認でき、インドからジブラルタルに至る、地中海全ての船乗りの間で評判に成りました。

続く・・・

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