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2011/04/02

人類の軌跡その53:現代に伝わる建造物⑫

<ピサの斜塔>

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 イタリアのピサの斜塔は、ピサ市に在るキリスト教大聖堂の一部です。
大聖堂は、中世都市国家のピサが1063年、パレルモ沖海戦で、サラセン艦隊に大勝した事を記念して着工、1118年に完成しました。
その後も1世紀半に渡り、増築・改築が繰り返されたものの、統一感は見事です。
8階建ての斜塔は、建設中の1173年~1350年に土台の片方が地面にめり込み傾きましたが、計算の結果、そのまま完成させても倒壊する心配が無い為、建築が続行されました。
高さ59m、直径17mのこの斜塔は塔として、又建造物として特色のある建造物では在りませんが、傾斜したが故に有名に成りました。
ピサの寺院は、この斜塔に礼拝堂(1153年~1278年)とカンポサント(14世紀)が在り、これ等のものが組み合わされて、大聖堂を形成しています。

◎ガレリオ・ガリレイ

 トスカナ大公国のピサ大学でガリレオが担当したのは、ユークリッド幾何学とプトレマイオスの天文学書の翻訳作業でした。
ガリレオは、数学教師の立場から、理論的或いは実際的な天文学を教える事は無かった筈です。
理論的な天文学は、哲学者がアリストテレスの著作に基づいて講義しており、ガリレオの範疇では有りませんでした。

 この頃、ガリレオが真剣に取り組んでいたのは、力学であり、運動、特に自由落下の問題に関する分野で、重さの異なるふたつの物体の落下速度について考察を巡らしていました。
ガリレオの有名な逸話に「ピサの斜塔の実験」が在ります。
斜塔の最上階から重さの違う二つの重りを落下させ、どちらが先に接地するかを実験した、と伝えられる有名なお話なのですが、ガリレオが実際にこの実験を行ったと云う資料は見つかっていません。
思考実験としては考えていた様子は在るのですが、実際の実験は行っていないと思われます。
この様に、伝説が存在するのもガリレオの偉大さを示していると言えるのではないでしょうか?

続く・・・
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