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2011/04/11

人類の軌跡:その62:現実と神話の狭間・番外編

<テセウスとアリアドネのその後・かんむり座>

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         テセウスとアリアドネ

 春も愈々、終わりを告げる頃、牛飼い座のすぐ東隣に見られる小さな星座で、7個の星が半円形に並び、小さいながら王冠のように美しい形をしています。
アルファ星ゲンマは「宝石」の意味で、文字どおり王冠の中央に位置し、宝石の様に輝いています。

 7個の星がくるりと半円形を描く姿は、ギリシア神話では、この様に伝えられています。
地中海のクレタ島にある地下宮殿の迷路の中に、頭が牛で体が人間の姿をしたミノタウルスという怪物が閉じこめられていました。
アテナイの人々は、毎年、少年と少女を生贄としてミノタウルスに捧げなければなりませんでした。
アテナイのテセウス王子は、ミノタウルスを退治する為、自ら生贄の一人に加わり、クレタ島に向かいました。
やがてテセウスは、クレタ島の王女アリアドネと恋に落ち、アリアドネは剣と、迷路から抜け出せるようにと毛糸をテセウスに渡し、無事にミノタウルスを退治して戻ってきたテセウスは、アリアドネを連れてアテナイに戻ります。
しかしテセウスは、アリアドネを途中に立ち寄ったナクソス島に置き去りにしてしまったのです。

 酒の神デュオニュソスはこれを見て哀れに思い、アリアドネに宝石を散りばめた黄金のかんむりを贈り妻としました。
そして王女の死後、ディオニュソスが冠を天に投げ上げると、その七つの宝石が星になって、このかんむり座になったと云われています。
星座内には80年に一度明るくなるTCrBという新星や、突然暗くなるRCrBという変光星があります。

続く・・・

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