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2011/05/13

人類の軌跡その94:歴史と女性③

<砂漠の女王ゼノビアその3>

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◎東方の女王②

 トレベリウス・ポリオは、彼女の美しさについて「肌の色は暗褐色で瞳は黒く、ただならぬ輝きを放ち、顔立ちは神のごとく表情豊かで、人格は挙措優雅で、歯は真珠の様に白く、声は澄み力強かった」と記録しています。
又、「ローマ帝国衰亡史」の著者エドワード・ギボン(1743年~1794年)は「彼女は言葉の知識だけでも、彼女が勤勉な習慣を身につけさせられた事を示し、又彼女が読んだ、ラテン、ギリシアの文学から、将軍達やオディナトウスよりも世界について深い知識を持っていただろう。彼女はロンギノスの指導の基に、ラテン、ギリシアの作家研究を続け、ロンギノスは同時代の哲学者及び古典学者間でも卓越した人物だった」と述べています。
レオナード・コットレルは「彼女はラテン語、ギリシア語、シリア語に加えてエジプト語にも通じていた。多分、彼女はアレクサンドリアで育ったのだろう」と述べ、更に「美しい才女は、数少ないとは言え、居ない事は無いが、優れた騎手で、軍団の先頭に立って遠征し、将兵と寝食を共にし、将軍としてローマの軍勢を破った才女の如きを聞いた事は無く、ゼノビアは正にその通りで、其れも一時はナイル川からユーフラテス川迄の広大な帝国を支配しながらの事だった」とも書き残しています。

 ゼノビアはローマの専横を極度に憎んでいたので、オディナトウスの妻と成ったその日から、夫を助けてパルミュラをローマの圧制から解放する為に、密かに指導的な役割を演じていました。
例えばアラブ兵の訓練に従い、軍事計画に加わり、馬上で幾日も過ごす事を学び、野営に参加し、士官達と食事を共にしました。
間もなくゼノビアは、自らの手で訓練した精鋭を直接指揮する機会に恵まれます。
ペルシア王シャープルがユーフラテス川を越えて侵入し、ローマ辺境守備隊の一軍団を壊滅させ、パルミュラに侵攻する矛先を向けた時、オディナトウスはゼノビアにペルシア軍迎撃を命じたのでした。

 ゼノビアは長年に渡って訓練した精鋭を率い、暗夜に密かに砂漠を行軍し、ペルシア軍の野営地に夜襲を敢行します。
寝込みを襲われたペルシア軍は、戦意を喪失してユーフラテス川を越えて退却させる事に成功し、ゼノビアはパルミュラに凱旋します。
ローマ皇帝ガリエヌスは、オディナトウスの功績を称え、東方総督の称号を与えて是に報い、ローマ東方帝国の支配を彼に委ねました。

続く・・・
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