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2011/05/29

人類の軌跡その110:歴史と女性⑲

<ナポレオンを敗退させた女性・トルコ皇后エイメその11>

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◎英雄の末路

 ナポレオンは、ロシア皇帝アレクサンドル一世と講和を望みましたが、ロシア皇帝は、侵略軍がフランス本国から全く孤立し、飢餓と寒さの為、急激に消耗しつつある事を知っていたので、最後まで講和を拒否します。
ナポレオンのモスクワ撤退の物語は、世界史に残る、最も凄まじく、最も悲惨な出来事の一つとして、永遠に語り継がれる事に成りました。
(第二次世界大戦に於ける、ドイツ軍のスターリングラード(現:ヴォルゴグラード)の敗退も、ナポレオンの逸れに匹敵しますが)
ナポレオンは、ロシア軍の姦計に翻弄され、命からがら逃げるより、他に道は残されていませんでした。

 厳しいロシアの冬に襲われ、全身傷つき、飢餓に瀕した10万人の敗残部隊は、食料、援軍、弾薬もそれら一切が補給される望みは無く、10月19日、モスクワを退却しました。
その内7万人は、未だロシア軍が退路を閉塞している地点にすら到達しない間に、寒気と飢餓で倒れて行きました。
ベレジナ河では、ロシア軍の激しい砲撃の中、強行渡河を試み、更に犠牲者は増えていきます。
敵陣を突破し得たナポレオンと敗残部隊は、僅かな人員に過ぎず、ナポレオン自身も危うく捕虜となる処でした。

 エイメは見事に復習を遂げたのでした。

 エイメ自身は、最後迄、自分の素性を明らかにせず、彼女の事を知っていたのは、ハミット一世とマフムト二世だけかも知れません。
従姉妹のジョセフィーヌにさえ、彼女の境遇を知らせた痕跡は無く、二人の間に私信の遣り取りが、行われた事も無かったと思われます。
エイメは、なぜ自分の境遇を従姉妹にすら、秘密にしていたのでしょう?
ジョセフィーヌの注目さえ、避ける事が、エイメの意識的な終始変わらぬ考え方でした。
彼女は、常に人目を避け、ベールの陰に隠れ、大臣、外国使節の一人にさえ姿を見せず、政府の干渉も、国民からの尊敬、時には敵意さえうける事無く、マフムト二世に忠告を与え、自由に支配する事が出来たのでした。
之には、エイメ自身が、宮廷内部でも外部でも、殆ど誰にも知られる事が無く、一般の人々が近寄る事の出来ない地位に居り、そして、一見幽閉されたような境遇に置かれた事に、その力が根ざしていたのでした。

続く・・・
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コメント

非公開コメント

おもしろすぎますね♪

はじめまして。エイメの存在も、その立場もおもしろいぎます。のですが、ロシア戦線と関連づけるという発想はありませんでした。
おもしろすぎます。ほかの記事もなかなか刺激的で面白いですね。楽しみにあちこちさまよっています。