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2011/06/20

人類の軌跡その129:ミステリー⑫万国博覧会の陰で

<パリ万国博の悪夢その1>

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 1889年のパリは、折から開催中の万国博覧会で、ごった返し、ホテルは何処も満室でした。
5月の或る日、イギリス人の母娘が、マルセイユからパリに遣って着ました。
インドからの帰途、マルセイユに上陸したのです。
母娘は、パリでも取分け名高いホテルにシングル・ルームを2部屋とりました。

 二人は宿帳にサインを済ませると、部屋に上がっていきました。
母親の部屋は342号室、ディープパープルのベルベットの重々しいカーテン、背もたれの高いソファー、楕円形のマホガニー製のテーブル等、豪華な部屋でした。

 処が、部屋に入るとほとんど同時に、母親は突然発病して、ベッドに伏せてしまいました。
診察を行ったホテル付の医師は、娘を呼んで幾つかの質問をした後、医師はホテルの支配人と部屋の片隅で、なにやら慌ただしく相談をしました。

 医師は娘に指示を与えます。
「母上は重病にかかっておられ、特別の薬が必要なのだが、その薬は、パリのこのホテルから反対側に在る、私の診療所にしか、置いていない。
私は、患者の傍を離れる事ができないので、私の馬車を使って取って来て貰えないだろうか?」

 娘を乗せた馬車は、腹立たしい程のろのろと走り、漸く到着した診療所でも長時間待たされ、帰途も往路と同様苛立たしい速度で走り、彼女が漸く、薬を手にホテルに戻って来た時は、4時間と云う時間が過ぎていました。

続く・・・
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